in 【屋上】

桐原 笙吾の場合 2


 笙吾は冴の柔らかい髪を梳いてやると、垂れ目がちで穏やかに見える表情で冴を僅かに安堵させてから、その唇を奪った。

「っ?!」

 びくりと冴の肩が跳ねて、真ん丸に目が見開く。ぎゅ、とスーツを掴む手が握られる。
 柔らかい唇を食んで、慌てたように閉じられたそこに笑って、掛けただけのシャツの内側に手を滑らせ、平らな胸にぷくりと勃った場所をクリ、と弄る。

「ッぁ、」

 がくりと跳ねて再び開いた唇に舌を挿し入れて、片手で項を押さえて逃げられなくする。

「んッ…んぅ…」

 ふるふると辛うじて首を振るのが、笙吾の嗜虐心を煽った。
 たっぷり濡れた熱い舌を自らの舌で絡め取って吸い上げる。「ぁ、む」泣きそうな顔に疼きながら、ちゅ、と音を立ててキスを終える。

「莫迦だな。そういうのは、助けが来てから言うもんだ」
「きりはら、せんせ…?」
「公表する気がないから、なんでもしてって意味に取っちゃうだろ?」
「違ッ…! ぁ、…や…ッ」

 男のものらしく小さな乳首に吸い付き、片方の乳首を指先で弾く。余った手は冷たい肌を撫で回し、恐らく誰か別の男の精液でべとべとになっているア○ルに辿り着く。
 笙吾の指を感じただけでヒクン、と収縮したそこは、更に指を進めるとヒクヒクと求めるように動き出す。

 顔を赤らめた冴が慌てたように笙吾の腕を掴んで「だめ…」首を振った。
 本人には意識はないのだろうが、その扇情的な顔に、ぞくぞくする。

「なにが駄目? やめて欲しいならはっきり言うんだな」
「…っ」

 言えないことが判っていて、そんなことを強要する。同時に再び乳首への攻めを開始して、冴の抵抗を弱めた。

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