in 【音楽室】

白峰 永斗の場合 3


 結局渉は嫌々ながらも肯いて、もたつく彼に着衣のままでいいからと促し、永斗は携帯電話を取り出した。
 ペ○スを握ろうとしていた渉が、ぎょっと目を見開いて股間を隠す。

「な、な、なんっ…」
「大丈夫大丈夫。下は撮んないよ。渉の照れた顔が撮りたいんだ」

(まぁ、顔撮るふりして撮るけどな)

 こっそり胸の内だけで舌を出して、永斗は柔らかいままのペ○スを恥ずかしそうに小さく扱き始めた渉を見つめる。
 子供みたいに口角は下がり、赤い顔は耳まで熱く、腿をよじってなんとか隠そうとするのがいじらしい。

 カシャリ、カシャリ、と嘘っぽいシャッター音が響く。
 その度に渉はきゅ、と目を瞑る。

「そんな風にしてたの、渉? 赤くなってきた。見られて気持ちいい?」
「ち、ちが…」
「渉のち○こ、くにくにされてなんか可愛い。あ、ほら――大きくなって来た」
「頼むから、見るな、永斗…」
「恥ずかしがって照れてる渉の顔も可愛いよ。いつもと違う、いやらしい顔してる。見る?」
「い、いらね…っ」

 渉の手の中でゆっくりと育つ熱。
 快感が生まれ始めているのだろう、はぁっ、と渉が熱い吐息を零す。切なげに寄せられた眉が扇情的で、指先が無意識的に先端のスリットを擦る。
 永斗は笑って、それを撮る。

「渉、先っぽ気持ちいい? さっきからやらしー指の動きしてる。腰も揺れてるぜ」
「っ?! ぁッ、う、み、見るな…っ」

 上気した頬と潤んだ瞳、そして上目遣いのコンビネーションは反則だ。
 永斗の熱も一気に上がってしまったが、幸い渉が気付く様子はない。一生懸命、初めてみたいに拙い動きで、それでも熱を追い上げていく。

「ほら、顔上げろよ。俺を見て、俺に見られながら、オナニーして?」


- 34 -
[*前] | [次#]

/87

『頂き物』へ / >>TOP


 
 
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -