隣の子 10 突然飛び込んだ第三者の声に、飛び跳ねるほどに美濃川は驚いた。霙は美濃川が激しく動いた所為でまた蕾とナカをえぐられて悲鳴を零す。 よいしょと声に出しながら倉庫のシャッターを押し上げて、ひとりの男子生徒が気怠げに中を覗き込んで長い息を吐いた。 「あーあ、俺マジで役に立たねーのな。おい美濃川、次はねーって言ったよな? さっさと引っこ抜いて失せろ。あと社会的に殺すからそのつもりでヨロシク」 「は、葉山っ…!」 「失せろっつってんだよ」 生徒の眼光が射貫く。美濃川は一気に蒼褪めてわたわたと霙のナカから太いモノを引き抜いた。 「ぅ、ぁ」 ぬるんっ、と抜け落ちる感覚と共に、熱い粘液が収縮を続ける蕾からゆっくりと排出される感触がして霙は震える。 美濃川が霙を見たが、葉山と呼ばれた生徒──恭介に睨まれて倉庫から転がるように逃げていった。 「間に合わなくてごめん」 どろどろに汚れたマットの端にぽすんと腰掛けて、恭介はそう言った。こげ茶色の髪。葉山。声。霙の中でようやく繋がった。美術部の。 「は、やま…せんぱぃ…?」 「そ。ところで悪ぃけど処理だけすんぞ。妊娠はしねーけど腹は壊すから」 「ふ、ぇ? ひぁっ?」 ヌル…っ、ヌル、ヌル… 肩を抱かれて、恭介の長い指が色々な粘液に塗れた蕾を宥めるように撫で回し、 ニュプっ… 「ぁッ、ゃっ…!」 くちゅ、くちゅっ…くちゅぅっ… 「ぁ、ぁ、ぁ…っ」 指が蕾を割り、明らかに性的な意図を全く纏わぬ動きで躯のナカのものを掻き出して行く。 逐一の反応を返してしまう霙にも恭介は眉ひとつ動かさない。元より眉は寄り続けているだけだが。 ただ時折、彼は小さく謝るだけだった。 to be continued... [*前] | [次#] 『カゲロウ』目次へ / 品書へ |