秘密はいずればれる | ナノ

(サスケと水月)


誰にも言っていなかったのに…。

「誕生日オメデトウ、水月」


秘密はいずればれる


「どうしてわかったの?」
「何がだ」
「だから、僕の誕生日が…」
「…アルバムだよ」

アルバムと言うのはもしかして…。
はっとなり、駆け足で自分の部屋に戻った。本棚の奥に隠していたのに、なんで、見られた。
(最悪だ……)

「サスケッ、君なんで勝手に!」
「はぁ?勝手じゃねえよ、お前が見せてくれたんだろ?」

階段から叫べば、意味のわからない言葉が返ってきた。
僕が見せた…?
そんなはずない。だって、自分以外に見せたことなどないんだ、アルバムは。サスケに見せるなんて、ただの恥さらしだし、誰が見せるか。
ぎゅう、とアルバムを抱きしめ、サスケはなぜ僕のアルバムを見て僕の誕生日を知ったのだろう…と考える。

「だって、だって、僕こんなの見せないよ…誕生日なんか言ってない。アルバムも。だって僕」
「水月下りてこいよ。誕生日だろ、祝ってやるから」

余計なお世話だ!!!なんて言いたくても言えなくて。
アルバムを持ったまま階段を下りた。
サスケはニヤニヤしながら隣に座るようにと、手をソファーに置く。いらつくな。仕方なく隣に座った。
「なんで…」「あ?」

「わかるはずないのに」
「お前この間の酒盛りで酔っただろ?それでアルバム見せてくれたんだよ。兄貴が恋しいんだーって」
「……あ?れ?」

そこんとこの記憶は曖昧だ。
確か香燐が買ってきたお酒を無理矢理飲まされて――僕は、酔ったのか?
だから昨夜の記憶も曖昧になり、酒に酔った勢いでサスケにアルバムを見せてしまったのかもしれない。そして彼は中の写真を見て、僕の誕生日を知った、ということか(兄は撮った写真にその日の日付を必ず付けていた)。

開いた口が塞がらない。
サスケを見つめたまま、僕は昨日の僕がしたことに後悔をした。なんで酔ってしまうんだ。
いや、この場合未成年なのにお酒を買ってきた香燐が悪いか…。
なんて考えても後の祭り?
サスケは僕に近付き、ぼそりと呟いた。

「水月は俺とお前の兄貴、どっちが好きだ?」
「……は、」
「答えろよ。早くしねぇと夜が明ける」


確かに、もう夜が明ける。遠くが明るく光った。
問いの答えに迷う僕にサスケは見兼ねたのか、小さく溜息を吐いてこう言う。
「答えらんねえなら、答えは俺が決めてやる」


「お前は、俺だけが好きになる」


そして、間髪入れずにキスをされた。すぐに離され、きつく抱きしめられる。
(ああ…秘密って、隠し通せるものじゃない)


「改めて、誕生日オメデトウ…愛してる」





2011/02/18 たぶん一生一緒

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