結婚 | ナノ
(サスケと水月)
サスケは僕によく『お前がオンナだったらよかったのに』と言う。
不思議に思ったから、何故かと聞いた。アッサリ、答えはこうだった。
「お前と俺の子をつくりたい」
結婚
初めてその言葉を聞いたときは驚いて目を見開いたけど、今じゃどうでもいいことだ。
しかし、それに反論したことが一度あった。『そんなの、オンナの香燐でいいじゃないか』と。
サスケは笑いながら首を振り、こう言った(ちょう失礼だよ、うん、まじ)。
「はは、俺と香燐の子供はファザコンになりそうだ」
いや、わかるかもしんないけど。
僕は笑いを堪えながら『その子供は、写輪眼と神楽心眼を遺伝して産まれてくるんじゃない』と聞く。かなりの天才が産まれるじゃん。しかしサスケはまたさらに首を振った。
曰、先に変態とかファザコンが遺伝してきそうだし、眼や感知能力の類は二種類もいらないそうだ。
一つあれば、多少のことは乗り切れるとか、なんとか。
そしてサスケは言った。
「産むならもっと戦闘能力の高いやつが欲しいだろ。お前みたいな」
なるほど、とは納得出来なかった。だからなんで僕なんだ。
…曰、かわいらしい顔で、でも目茶苦茶暴れることが好きな子供が産まれてきそうとか、なんとか。そして写輪眼も遺伝すれば天才を越えるだろう、と。
よくわかんないけど、サスケは自分みたいに強い子供を産ませたいらしい。
力に渇望するあまり、とうとう頭がオカシクなったか。サスケバカ。
その時は聞いて呆れた。反論する気は失せていた。
「お前神童だろ」
「まったく。オンナを子供産む道具としてしか見ないんだね」
「ははっ…」
「まあでも、残念でしたね。僕はオンナじゃないですから子供は産めません」
べろべろば、笑ってやった。
しかしサスケは余裕そうな表情で、こちらを見ている。そのまま抱き寄せられた。
「…性転換するか。んで結婚式挙げよう」
…そこまですんの?
2011/01/31