Inazuma | ナノ


▼ 聖夜と甘いプレゼント

 

「というわけで、反省文20枚書き上げるまで外出禁止とする」
「ふざけんじゃねえ!俺と倉間の聖夜デートを邪魔する気か!」
「逆さ吊りして火炙りの刑に処される方が良かったか?」
「・・・・・・・」
「自業自得だ。終わったらそこの机に置け。俺が見る」

バン、と扉が閉まり足音が聞こえなくなったのを確認すると、俺は机に突っ伏した。

「ちくしょお・・・」

目の前にある作文用紙の山を見ながらつぶやいた。自業自得だということぐらい知っている。昨日、倉間に会うために無断で練習をサボった結果がこれだ。今日の練習の後、兵頭、蜂須賀、柴田という二年メンツに3時間の説教をもらったあげく、大量の反省文を課せられた。昨日倉間にクリスマスデートの約束をしたばかりなのになんて最悪な事態だ。ああでも、結局はちゃんと休むことを伝えなかった俺が悪い。嘆く前に目の前のことをすべきだと思い直し、シャーペンを取って反省文を書き始めた。



*******



時間を忘れて書き上げて、気づけば作文用紙20枚を反省文で埋めるというきつい試練をクリアしていた。努力って実るもんだなー、とぼやいて向こうにある掛け時計を見ていたら、やっと恐ろしい事実に気づいた。

「げええええっ!?もう8時!?」

反省文を書き始めたのは確か5時ぐらいだった。20枚も書くのに、俺は3時間も費やしていたのだ。そして、倉間とのデートは7時半・・・もう遅い。
たこだらけで上手く動かない右手で携帯を開くが、受信したメールは一切無し。すぐ終わると余裕を持ってやっていたのが間違いだった。これはもう駄目だ。多分言い訳はおろか、必死に土下座して謝っても許してくれないだろう。今まで絶対に遅刻せず(というか2時間も前に)デートに来ていたのに、かっこよく思われたかった努力が空しく水の泡。絶望にうちひしがれそうになった時、ノックの音が聞こえた。

「南沢、客人だ」
「客ぅ?」

その主は正宗だった。こんな時に客って、なんなんだ。俺はため息を吐いてから、通せ、と伝えれば、正宗は承知、と聞き慣れた言葉で返して客を呼び出した。一回伸びをしてぐったりと机に突っ伏して、もうどうにでもなれという気持ちになった。
数分後、「南沢、客を通すぞ。あとは自由に話してくれ」と正宗が一旦顔を見せてから扉の向こうへと行った。それと入れ替わりに―――



「南沢さーんっ!」
「―――倉間、」

倉間がやって来て驚いた。だが、それだけではない。今の倉間の姿は、一言で言えば「ミニスカサンタ」の衣装を着ていた。長袖だが腹と太股と胸が露出していて寒そうである。しかしそんな彼女はそれすら気にしていないようで、駆け足で俺に近づいてきた。

「聞きましたよ、勝手にサボって反省文書かされたんですよね?」
「あ、ああ・・・」
「会いにいってくれるのは嬉しいですけど、練習サボるのはよくないですよ」

むう、と頬を膨らませる倉間の可愛いことと来たらこの上ない。しかも今の格好は露出多めのサンタ姿―――ああ、スカート短すぎてパンツが見えそう・・・ちょ、やべえ、服から覗く豊満な胸が俺を誘っているようにしか見えねえ、どうしよう、さ、触り、たい。こう、ふにふに、て、揉み、た、い。

「倉間、わ、わざわざ・・・?」
「もちろんですよ。南沢さん遅いから心配したんです」

しゅん、と俯く倉間が可愛くて、でも切なくて、俺は席を立って倉間を優しく抱きしめた。

「南沢、さん・・・」

倉間がウルウルと目に涙を溜めた顔を上げてきて、次の瞬間、ブチリ、という音が頭の中で聞こえた。そして、気づいたら俺は倉間を押し倒していた。

「えっ、ちょ、南沢さん!?」
「誘ったのはお前の方だからな?」

反省文を書き上げたご褒美、まずはどこから堪能しようかな。





―――――――――――――
エロに行きかけたので強制終了
ミニスカサンタ倉間ちゃんとか可愛すぎて想像するだけで死にそう


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