「あぅ、い、やだぁ、!成ッ、俺、友達でいた、ぃ、んぁぁッ」
「アキ…」

俺は我慢出来なくて風呂場に入ってしまった。

「ぁ…」

アキは涙を流して、天井をうつろな目で見ていた。全部掻き出したが、イッてしまったんだろう。

「アキ…まってろ、タオル、渡すから」
「…あぁ…。」

タオルを近くのタンスからとってきてアキに渡すと、自分で拭こうとせず、タオルを返してきた。

「成が拭いて…」
「…アキ」

触られていいのかよ、と言ったらコクリと小さく頷いてくれた。
アキの体を丁寧にふいてやりタオルで包んでまたベッドまで運ぶ。

「アキ、大丈夫か」
「おう・・・」

まだ少し虚ろな目でアキは俺を見る。

「成、俺さあ、お前を友達としか見れない」
「…ああ。分かってるよ」
「親友で、十分じゃねーのかよ」
「…ごめん。好きなんだ」
「成…」

やっぱりな、と俺は改めてしょげていると、アキはイキナリ俺に顔を寄せた。

「エッちょっアキっ!?」
「…顔は悪くねえ」
「はっ?」

訳が分からず驚いた顔のまますぐ目の前にあるアキの顔を見つめる。

「そんなに俺と付き合いてーんなら、惚れさせろ」
「なんて!?」
「だから惚れさせろって言ってんだよクソ」

は?え?え?俺はと同じ言葉を連呼する。しばらくして落ち着いたところでアキと改めて向かい合う。

「じょ・・上等だ、惚れさせてやるよ」
「はっ…そう来なくちゃな」

ニコリと笑うアキの唇にキスしたくなるが、ここは我慢だ。同じ過ちをおかしてはならない。まずはこいつを思い切り俺に惚れさせよう。明日にでもデートに誘ってみるか。

俺は無意識にニヤけていて、変態、とアキに殴られた。





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