50音短編企画/微睡み



春島の穏やかな気候の下、我らがハートの海賊団は今日もワンピース目指して航海を進めている。
太陽は高く、風は穏やかだがすこし涼しい。昨日までの冬気候が抜けきらないせいだろう。

「ふああ〜、気持ちいいねえ」
「ねー」

ふわふわのベポが、午前中一緒に磨いた甲板に寝そべる。なんかもうそれだけで癒しだ…!と思いながら、隣に腰をおろした。


「次の島までまだまだあるみたいだし、たまにはこんな日もいいよね」
「うんうん、★もお昼寝しよ〜」

ぽりぽりお腹を掻いた白熊に手招きされて、可愛いなあと笑いながらそのお腹によりかかる。柔らかくてあたたかで、とっても気持ちいい。


「ベポ、重くない?」
「ぜーんぜん!なんていうか、丁度気持ちいいよー」
「ほんと?よかった、ベポのおなか、すごく気持ちいい」
「えへへ、おれ★とお昼寝するの好きだな」
「うん、わたしも」

海賊船らしからぬほんわか気分のこの白熊に誘われるまま、甲板掃除で疲れた身体は素直に睡魔を引き寄せた。

甲板への出入口にあたるドアから見ている、脚の長いそのひとに気付かずに。




「ん……ベポ…」
「……オイ、俺はベポじゃねぇ」





drowse
(微睡みのなかで)




「おおおおおいペンギン!なんだありゃ!」
「……ベポを枕にして、抱き合ってる★とキャプテンだろ」
「どどどどうしてキキキキャプテンと★が抱き合って…!」
「でけェ声出すなよ。寝ぼけてんだろ、★が」
「あ、あんな思いっきり抱き合って、!」
「…キャプテンは確信犯だろうな」




20120811




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