最近毎日の様に変な夢を見る。

まず背の高い男の人が後ろ向きで目の前に立っている。触ったらふわふわしてそうな綺麗な金髪の髪の毛。少し姿勢が悪くて、白衣みたいのを着てるんだ。その人はゆっくりとこちらを振り返る。結構美形だったと思う。

でもそこで彼の身体はみるみる縮んでいく。ぐにゃ、と形を変えて、身体全体が黄色へと変色していく。そしてソレは最後に笑う。


「クーックックック」


と。







何度目になるか分からないその夢を見て今朝は目覚めた。美形は、好き。だけどそれがあの曹長になっちゃうんだからわたしの頭はヤバイのかも。だってケロン人だし。分かりやすく言っちゃえばカエルだし。


「何かわたしに呪いでもかけたんでしょあんた」
「言いがかりだぜえ」


そんなことを愚痴りにクルルズ・ラボに来てみたり。だって暇だったんだもん。全ての元凶はこいつにある気がしたんだもの。クーックック、と笑う黄色いカエルはわたしに背を向けて機械をいじりつづけている。何作ってるんだか、全く。怪しいものだ。(いつもの事か。)


「そんな訳でろくに寝てないから寝てもいい?」
「その方がいいなア」


む。それはわたしがうるさいって事かなクルルさん?ちょこんと部屋の隅に座り込む。床も壁も冷たくて硬い。寝心地悪いなあ。今度から毛布かなにかを持ち込もう。







あやふやな影が鮮明になる。

長身の金髪のお兄さん、では無かった。始めからクルル。クーックックといつもの声が聞こえる。今回はいつもと逆みたい。こちらを向いているクルルがまた少しぼやける。そして段々と背が伸びて人型に…過程が何だか気持ち悪い。

完全に人の形となっても、わたしの目は覚めなかった。またその人はククと笑う。人型の時にクルルの笑い方をしたのは初めてだ。そして少しずつ彼はこちらに近づいてきた。うん…美形。


「起きてんのか?寝てんのか?」


視界がハッキリしてきた。顔が近い。彼は今、わたしに話しかけてきたの?声までクルルにそっくりなんだけど、どんな設定なんだろう。


「どうなってもしらないぜえ?」


そしてまた顔が近づく。ほっぺに柔らかい感触。ちゅーされた。欲求不満だったりとかすると、こんな夢見るんだっけ。


「まだ夢の中なのかい?」


何言ってるの、この人。あ、そういえば、さっきのちゅう、やけにリアルだった気が。これは夢じゃ、ない、の?ためしに自分の頬を引っ張ってみる。あれ?痛いかも。


「夢じゃない!?」
「お、起きたァ?」


もうちょっと遅かったらキスどころじゃなかったなア、とニヤニヤするその人。誰?夢から出てきた…わけないわけない。ここは現実の世界のはず。なんでここに居るんだ。それより。


「クルルは、何処…!」


そうだ、ここはクルルズ・ラボ。クルルの姿が見当たらない。クルルの代わり?に、あの夢の中のお兄さんが。…まさか?だって、クルルは、人じゃない。(あれ?でもケロン人だ)


「此処に居るじゃあねえか。なァ?」





***
え、うそ、もしかしてさっき作ってたやつ?