可愛い可愛い俺の後輩は、こーんなにいい男が近くに居るというのに気付きもしないのだ。

あげくの果てにこんな事を言い出す。


「ナルト君のおいろけの変化の姿、可愛いですよね…!」


そういや、さっきナルトがまたそんなことしてたっけ。もちろん俺にゃーきかないよ。だってお前に夢中だし。


「すごくナイスバディですし!」


ま、確かになまえには無い要素だね。ただあれ元は男だからね?分かってると思うけど。


「先輩もそう思いませんっ?」


なんたってほら先輩エロスの代名詞みたいなもんですし、ってそれお前ちょっと失礼じゃない?…あ、俺いいこと思い付いたかも。


「んー、そうだねえ。可愛いと思うよー?」


にっこり言ってやって、ちょっとは妬いてくんないかな。なーんてね。


「胸は無いよりあったほうがいいでしょーよ」


語尾に小さく音符を飛ばしつつ…っとね。さて、どうかな。


「…あ」


お、ちょっとショックなの、か?間抜け面でこっち見たまま止まっちゃった。かーわい。


「…じょーだ「やっぱりそうだったんですね!!!!」…はい?」


これ以上いじめても可哀想かなと思って出した撤回の言葉は、思いっ切り遮られてしまった…ってなに?なんでそんなイキイキした顔してんの?


「やっぱり先輩は巨乳派…じゃなくて、ナルト君が好きだったんですね!」


……はあ?なーにを、言ってるの?この子は。


「あ、いや、正しくはナルト君の女の子バージョン…いやでも中身はナルト君だし…?」


勝手にぐるぐる思考を巡らせてるみたいだけど、お前の頭より今俺の頭んなかのがぐるぐる。誰が誰を好きだって?


「…ちょっと落ち着いてちょうだい、頼むから」
「そうですね、呼び方はナル子ちゃんとかにすれば分かりやすいんじゃないでしょうか!」


落ち着く気なんかないじゃないこいつ。思わずため息が漏れた。


「…で?そのナル子ちゃんを誰が好きだって?」


勘違いとか聞き違いであったらいいのに。


「カカシ先輩と」


やっぱりそうなっちゃってるの?可愛い=好きって、こいつの単純な頭どーにかしてよ。…って、待って、…『と』?


「わたし!」





***
(今日からライバルですねーっ)
(ちょっと俺、展開についてけない。お前、ナルトが好きなの?ナル子が好きなの?)