隣に居られればそれでいいか、と諦めていたというのに。今はそんな流れだったろうか。並んでお茶を飲んでいただけだった筈なのに、何故俺は愛の告白なんかされているのだろう。 「…ちょっと待って、…ごめん」 「あ…ごめんいきなり。そうだよね、これからも普通に仲良く、して、…ね」 そして何故彼女は涙目なのだろう。そうか、ごめんって別にそういう意味じゃないんだけど。あ、でもいいか、とりあえずそういう事にしておこう。 「うん…じゃあ、今の、無かったことに、しよう」 「え、あ、う」 ぼろぼろ涙を零しはじめて力無く小さく頷いたなまえに、ちょっと心が痛んだ。ごめん。でも、 「俺から、言わせて」 「うん、…え?」 きょとんと俺を見つめた瞳があまりに綺麗だったから、思わず抱き締めた。その身体は驚いたのか硬くなって身動きひとつ出来ないでいるらしい。少し面白くて、くすりと笑ってしまった。 「な…んで笑…!?」 「なまえが、好きだ。」 「え、嘘」 「嘘じゃない」 「だって」 「いいから」 「…私も好き、です」 「うん、知ってた」 そのままぱしんと頭を後ろからはたかれたけれど、少しも痛くなかったのと、なまえの顔がやっぱり真っ赤だったから、また笑った。 *** のばもまっかだよ! |